イヌリン

食品への応用

Fuji FFは様々な機能をもち、それらを応用することで乳製品、各種菓子類、各種惣菜などさまざまな食品に利用されています。

物性に変化を与える

食品の三大要素であるタンパク、脂質、炭水化物のうち、炭水化物の代表例であるでん粉はグルコースを構成単位したグルカンに分類され、その多くは分岐を持った構造をしています。それに対してイヌリンはフルクトースを主たる構成単位としたフルクタンに分類されます。Fuji FFはほとんど分岐のない直鎖の構造をしており、この構造の違いがさまざまな物性を付与するために役立っています。

澱粉とイヌリンの構造の違い

ガラス化

炭水化物の多くは、ある条件下で加工することでガラスのような固くてもろい性質にすることができます。これをガラス化と呼びます。このガラス化はさまざまな食品で確認できます。身近な食品では飴が典型的な例です。一般的にはガラス化しやすい素材としにくい素材に分かれますが、Fuji FFはその中間に位置することから食品中に適量加えることで食品のガラス状態を調整することができます。例えばクッキーに数%のイヌリンを入れることでよりサクサクした食感に仕上げることができます。

Fuji FFのガラス化温度

冷凍耐性

でん粉などは熱帯や亜熱帯などの植物で主要な貯蔵多糖類ですが、寒帯においてはイヌリンを含んだフルクタンを貯蔵する植物が増えるとされています。一説には被子植物の12~15%がフルクタンを含むと言われています。一部の多年草において冬の期間が長いとフルクタンの蓄積が進むことが知られており、フルクタンは一時的な貯蔵多糖として植物の耐低温ストレスに貢献するものと考えられています。イヌリンを利用することで、食品にも低温ストレス耐性を付与することができます。

Fuji FFによる冷凍プリン表面の変化

対照品

Fuji FF添加プリン

味覚に変化を与える

Fuji FF溶液を大きく撹拌したときの粘度は低いのですが、きわめて小さい力を加えたときには粘性を示します。このことはFuji FFが食品の呈味に影響を与える可能性を示しています。

コク味

Fuji FFは食品にコクを与え、味に深みを持たせることができます。

Fuji FFによるひずみ量に対する応力の変化

マスキング

Fuji FFは食品の苦味や雑味を抑えることができます。

Fuji FFによる雑味のマスキング

食物繊維強化

イヌリンは食物繊維なので食品中に規定の量を配合いただければ、「食物繊維入り」や「食物繊維たっぷり」などの表示をすることができます。

食物繊維の配合量と表示例

  固形食品
(100gあたり)
液状食品
(100mlあたり)
入り

3g

1.5g

たっぷり、豊富

6g

3g

強化

対照品と比較して25%以上

対照品と比較して25%

低糖質

食品を低糖質化するために、しばしば小麦粉や砂糖の量を減らし、甘味料で甘さを補う配合が試みられます。しかしながら砂糖を減らすと砂糖がもつ造形性効果や保湿効果等が失われ食感が非常に悪くなってしまいます。イヌリンはその構造の一部に砂糖に似た部分があり、ボディ感などの砂糖の持つ物性を補うために低糖質食品に利用することができます。

アプリ

弊社のFuji FFはたくさんの商品にご採用いただいております。下表にご採用いただいた商品とその特徴をまとめました。

Fuji FFを使用した加工食品の例

食品例 Fuji FFの効果
飲料 機能性表示 マスキング
整腸作用を付与できます。渋味や雑味を低減できます
マーガリンフィリング 脂肪代替
油脂の使用を抑えてもリッチな味わいを維持します。
バータイプ食品 食物繊維強化 食感改善
少量の添加でサク感、多めの配合でしっとり感を付与できます。
スナック菓子 物性改善 食感改良
少量の添加でサク感を付与できます。
パン・焼菓子 低糖質化・しっとり感付与 食物繊維強化
小麦や砂糖を抑えた低糖質生地でもしっとりさせます。
アイス なめらかさ・コク付与 乳脂代替
少量の添加で滑らかさを付与 乳脂代替としても利用できます。

その他アプリ

弊社でもFuji FFを使用したアプリケーションを開発しており、その情報を参考に各メーカー様へさまざまな商品のご提案をさせていただいております。当社で開発したFujiFFを使用したアプリケーションについては会員登録をしていただくとご覧いただけます。

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