FAQ( Frequently Asked Questions)
水溶性食物繊維ってぬるぬるする?
多くの情報では水溶性食物繊維は水に溶けてゲル状になったり粘度を高めると記載されていますが、すべての水溶性食物繊維に当てはまるわけではありません。水に溶けてゲルになるものや高い粘性を示すものは水に高濃度に溶解させることができず、多くの量を摂取することができません。またその多くは分子のサイズが大きく摂取できたとしても、低分子のものと比較して腸内細菌の資化率が下がると考えられています。そのため、一部の食物繊維はわざわざ低分子化してぬめりを弱め、よりよく水に溶けるよう加工して販売されているものあります。従って一概にぬめりをもった水溶性食物繊維の効果が高いという訳ではないと考えられます。
機能性食品はトクホより効果がない??
トクホと機能性について
トクホは国が審査を行い許可を出したものに限定されます。機能性食品は事業者が届け出ることで機能性を表示できるものとなっています。これだけから判断すると確かにトクホの方がよいような気がしてしまいます。(規格基準型でない)トクホとして許可を得るためには、最低2つのことが必要となっています。1つは作用するメカニズムが明確になっていること。2つ目は無作為化比較試験(RCT)と呼ばれるヒトでの効果は測定する試験で(有意差5%以上という)偶然ではない効果が確認できることとなっています。一方、機能性表示食品を届け出る場合に必要な効果の証明としてRCTまたはシステマティックレビュー(SR)を実施することとされています。
RCT
RCTだけに注目するとトクホと機能性食品は同じレベルであってもおかしくないと思われますが、同じRCT研究でもレベルに差があることもあります。事実、機能性表示食品制度において一部で機能性の科学的根拠において質の低いものや食経験があまりなく安全性に不安があることなどの指摘があることも確かです。また、トクホとなる商品には規格基準型(多くの効果があったという報告があった成分にのみに許可される)トクホもあり、トクホでの効果の確かさは高いと思われます。
SR
SRはどうでしょうか?学術的な判断においてはSRなどの方がRCT研究よりも信頼性が高いとされています。SRというのは「特定の問題に絞って、類似しているが別々の研究を見つけ出し、選択し、評価し、まとめるために、明確で計画された科学的方法を用いる科学研究」と定義されています。難しいのですが、簡単にいえばいくつかの研究をまとめて、効果があるのかないのかを科学的に検証するということになります。1回だけの試験よりも複数回の試験、研究を参考にした方が信頼性は高いのは頷けます。
ただし、機能性食品表示制度におけるSRは研究例の数についての規定はなく多くの研究例がなくてもSRとすることができます。そこで機能性表示食品の研究例の確かさ(一般的なSRと同じレベルにあるかどうか、どのような試験が根拠になっているのか)は、消費者庁のホームページに届け出情報が公開されており、消費者自身が判断できるようになっています。
結論
機能性表示食品の中には多くの研究例を参考にしてSRしているものもあり、機能性表示食品であっても効果を発揮するものはあると考えられます。