他素材との比較
各素材の位置
VS食物繊維
私たちが食べた物のうちヒトが消化、吸収できなかったものが食物繊維とされています。その食物繊維を大きく分類すると水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維の2つに分類できます。不溶性食物繊維にはセルロースやキチン等が水溶性食物繊維にはイヌリンや難消化性デキストリンなどがあります。
水溶性食物繊維の中にも腸内に生息するビフィズス菌のような腸内細菌の餌として利用されやすいものとそうでないものがあります。
食物繊維の溶解性と機能性について

資化性と水溶性
VSオリゴ糖
オリゴ糖とは、厚生労働省開設したe-ヘルスネットでは糖が2から10程つながったものをオリゴ糖としています。食物繊維は、ヒトの胃や腸などの消化管では消化・吸収されにくい難消化性の糖質とされており、実はオリゴ糖も食物繊維の仲間です。オリゴ糖は一般的にイヌリンと同じように水溶性も高く、腸内細菌の資化性も高いとされています。それでは食物繊維とオリゴ糖の差はどのようなところでしょうか?そもそも、イヌリンを含めた食物繊維というのは糖の繋がりの数が異なるものの集まりで、その中の特に短い部分のみをオリゴ糖と呼んでおり、食物繊維とオリゴ糖はとても近い仲間であると言えます。
生理機能においてはオリゴ糖の整腸作用については一日あたりの摂取量の目安が3~10gとその種類によって異なるようです。オリゴ糖は食物繊維と比較して脂質や糖代謝に関する研究例が豊富ではないようです。また、副作用が出ない量についての研究例においてオリゴ糖では体重1kg当り一日おおよそ0.3~0.4㎏、食物繊維は0.7~1.1gとの報告があり、オリゴ糖はその浸透圧によって一過性下痢が誘発される可能性が食物繊維よりも高い可能性があります。
鎖長と資化性

鎖長分布
その他素材
「プロバイオティクス」、「プレバイオティクス」という言葉をご存知でしょうか?「プロバイオティクス」とは腸内フローラバランスを改善することにより動物に有益な効果をもたらす生菌添加物と定義されています。一般には乳酸菌やビフィズス菌などの腸内フローラによい影響をもたらす生きた菌のことと言えばわかりやすいでしょうか。一方「プレバイオティクス」とは1995年にGibsonとRoberfoidの提唱において「難消化性食物成分であって、1ないし限定数の結腸内細菌の増殖と代謝活動を選択的に促進し、しかも健康の維持増進に有効なものである」とされています。また同時に「シンバイオティクス」という考えも提唱しており、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」の2つを組み合わせることにより、双方の機能がより効果的に健康に有利に働くことができると考えています。その提唱をした論文の締めくくりでイヌリンについて有用であると記載しています。「プレバイオ」、「シンバイオ」の発端からイヌリンは代表例であったと言えます。