イヌリン
イヌリンとは
イヌリンとは、普段よく食べているタマネギ、ゴボウ、にんにくなどといった多くの植物に存在する水溶性食物繊維です。特にキクイモやチコリには多く含まれていることが知られています。
植物中のイヌリン含量
植物名 | 部位 | イヌリン含量 (%生体重あたり) |
---|---|---|
たまねぎ |
球根 |
2〜6 |
チコリ |
根 |
15〜20 |
にんにく |
球根 |
9〜16 |
バナナ |
実 |
0.3〜0.7 |
大麦 |
穀粒 |
0.5〜1.5 |
ごぼう |
根 |
3.5〜4.0 |
Van Loo et. al.(1995)を元に作成
イヌリンの歴史
チコリについて1世紀古代ギリシャの文献にその健康効果が記載されていますが、その主たる成分のイヌリンが分離発見されたのは1804年とされています。イヌリンは欧米において19世紀には血糖値の上昇を抑制するなど多くの生理作用があるとされ、糖尿病患者用の食事に利用されていました。今日ではイヌリンは世界の水溶性食物繊維市場でもっとも大きなシェアを占めるまでに至っています。
イヌリンの科学
イヌリンは砂糖に果糖がいくつもつながった構造をしています。植物は砂糖やでん粉と同じように貯蔵するエネルギー源として、光合成により得られた糖をつなげることでイヌリンをその体内に作り出しています。

イヌリンの模式図
Fuji FFとは
フジ日本精糖は植物と同じように糖をつなげ、イヌリンを作り出すことができる酵素を発見し、イヌリンを世界で初めて産業的に砂糖から作り出すことに成功しました。その商品名を「Fuji FF」として今では大変多くの食品にご利用いただいております。
安心安全
Fuji FFは、原料が砂糖であるため非遺伝子組換え(ノンGMO)、アレルギー物質を含まない(ノンアレルギー)安心、安全な食品素材です。(食品添加物ではありません。)
物性改良
Fuji FFを食品に使うことで焼き菓子をクリスピーな食感にしたり、ふんわりさせたりと食品の物性を変化させることが可能です。また、味に深みを与えたり、雑味を抑えたりと様々な特長があります。これらの特長を上手く使うことで菓子類、乳製品、惣菜など多くの食品にご利用いただけます。

生理機能
Fuji FFを一定量食品に配合させることで食物繊維強化や整腸作用などの機能性を付与させることができます。Fuji FFを機能性表示食品の関与成分や食物繊維源としてご利用いただくケースも増えてきております。