IR 平成15年度

ニュースリリース

2003.7.1 中日新聞

イヌリン(低カロリー食物繊維)本格生産
特許製法で低価格実現へ
静岡にプラント完成

 フジ日本精糖は7月から、低カロリーの食物繊維「イヌリン」を本格生産する。同社が世界に先駆けて開発した、砂糖からイヌリンを作る技術を用いたプラントが清水工場(静岡市)に完成、30日に落成式があった。健康食品への関心が高まるなか、同社はイヌリンの事業分野を確立して市場でのシェア拡大を図る。

 イヌリンは、欧米で古くから糖尿病患者の栄養補助剤として利用され、近年は腸内環境を改善する素材としても評価されている。すでに脂肪摂取量を抑えるための代替物として、乳製品や菓子などに商品化されているが、チコリと呼ばれる植物の根から抽出・精製する従来の製法ではコスト面で割高になるのが難点だった。
 同社は旧フジ製糖時代の1999年、砂糖からイヌリンを作ることができる酵素を発見し、この酵素を用いた製法に関する国際特許を出願。2001年の旧日本精糖との合併後に事業化を加速させ、昨年末から10億円を投じてプラント建設を進めていた。
 完成したプラントは鉄骨コンクリート造り、高さ26メートル、延べ床800平方メートル。同工場で作られた砂糖を原料にしてイヌリンを生産する。当初は年間生産能力600トンで稼働するが、数年内に1800トンに高める方針だ。
 酵素を用いた製法だと、従来品より高純度のイヌリンを大量生産できるようになる。現在の通常価格(1キロ当たり700~1,000円)より低価格で提供できるようになり、すでに大手菓子メーカーなどから引き合いがあるという。
 イヌリンの市場規模は400トン内外とされているが、今後、医薬品や化粧品など広い分野での応用が期待され、コスト低減により何倍にも膨れるとの試算もある。
 渡辺彰三社長は「これからは成長分野である食品物資部門に注力する。イヌリンの名前を普及させて、事業を早く軌道に乗せたい」と話す。

※イヌリン
多糖類の一種で、チコリやキクイモをはじめ、ニンニク、ニラ、タマネギなど身近な野菜類にも含まれている天然成分。多くの生理活性機能について報告されている。欧米では古くから食物より抽出したものが糖尿病患者の栄養補助剤として利用されている。

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